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低髄液圧症候群―ブラッドパッチを受けた人、または、これから受ける人へ

低髄液圧症候群―ブラッドパッチを受けた人、または、これから受ける人へ

一般人の読む本ではありません
 本書は低髄液圧症候群について、同病気の治療にたずさわっていない脳神経外科医が第二から三者の立場で、レビューと反論をおこなっている物である。
 本書は自動車保険ジャーナル発行の「精神医学と賠償シリーズ」である。そのため科学的な視点や診断基準について述べている部分がおおく、ページの大部分を占めるのは臨床医師らの診断基準に対する反論である。ほとんど対案を示していないため、あまり建設的な書とはいえない。裁判・医療にかかわる人にとっては注意すべき点が網羅されているので、必読といえよう。しかし、患者にとってはあまり役にたたない。評者は元患者であるが、読み進むにつれて現実感のない本書の論説に疎外感を感じずにはいられなかった。

本書の構成
1章 一般的な低髄液圧症候群(低髄液圧症候群 A)
2章 低髄液圧症候群と損害賠償
3章 最近話題の低髄液圧症候群(低髄液圧症候群 B)
4章 低髄液圧症候群Bの疑問点
5章 補足解説
6章 低髄液圧症候群に関する裁判判例
7章 低髄液圧症候群に関する参考文献
8章 最後に

 1章2章は一般的な解説や本書のための定義づけについて冷静に書かれている。3章はやや感情的な表現が多くなり、読みにくい。治療医師らの診断基準を4項目にわけ、そのうち2項目(症状・画像)のみに焦点をあてて、4章で各個に反論をおこなっている。評者周辺の元患者らは、軽視された項目(参考事項)のほうが、間違いの少ない良い基準と考えており、軽視されたのは残念だ。4章では、あまりに熱心に反論を展開するあまり、筆者自身が認めたA郡の診断基準まで否定するような論になっていて、本書における論の統一感を欠く一因になっている。また、相手方の論を推論だとするのに、筆者も推論的な展開で反論を積み重ねる節もあり、少々げっそりしてしまう章でもある。なお筆者は臨床データが無いので、他者の成果の引用で反論している。5章以下は補足など。

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